毛筆コンプレックス。Brush penmanship complex.

人生の岐路、転機、マイルストーン、メルクマール、そいった類いのイベントには
よく、毛筆、筆で字を書く場面に遭遇するものです。

そういった、慣れない非日常。不連続な状況で、ただでさえ不安を、動揺を覚える。

そんな特異なシュツエーションで自分が最も不得手である事をやらざるを得ないのは
正直、辛い。

毛筆というのは日本刀と同様に切る事を前提にしている道具だと思う。
切るという行為はただ力任せに得物を振るえば良い訳でなく、標的に対してどの様
な角度で切り込むか、刃をどう滑らかに滑らせるかをうまくコントロールする
事を必要とする訳で。

コントロールする事は苦手なんだよねえ。特に筆で字を書くのは手応えというか
素材、支持体に接する部分が少なくて、書いてるという実感があまり無いというか。
スッパリと切るより叩き切る感覚の方が安心できるというか。

まあ、そういう苦手意識こそ、イカンと遺憾に思う訳ですが、高校の習字の授業の
際に、先生から「下手」のお墨付きを得て以来、どうにもだめですわ。

何度も練習して、本番に挑んでも…、とても残念な結果になるんだよなあ。
練習だとそこそこ書けてた筈なのに、本番で見事にこける。

ただでさえテンパリ易いのに、さらに苦手となればもうね。イカントモシガタイ。

「道」と付くものは決まりきった「型」というものがある訳で。
その「型」を守って破って離れるのがその「道」を修める道だそうですが、
どうにも形から入らずにいきなり応用から始めてしまいがちな、ひねくれ者
なんで、何かの「道」を極めるのは向いてないっぽ。