今わの際

十年以上うちにいた猫がもう持ちそうにない。

日に日にやせ細ってガリガリになってしまった。

食べ物もたべない。水も飲まない。無理矢理に

口に押し込んでももう限界のよう。

体温も冷たくなってきた。機嫌を窺おうにも

しっぽもあまりうごかさなくなってきて、目を細く開いている

だけ。

もう何をしてやりゃいいのか分からんくなった。

見守るのも辛い。そばにいてほしいのか、

独りほっといてほしいのかも分からなくて悲しいね。

 

もういいよと、よく生きたよ。

あいつが居なくなるということは自分の中で20代が

完全に終わる節目のような気がしてきた。