晩夏の晩蚊

 

夏の終わりのころの蚊というのはとても厄介だ。

体長こそ小さいが、なかなかどうしてすばしっこい。

満を持して撃墜しようとしてもその風圧によってなのか

回避される。そして体長が小さいからこそ視認が難しい。

叩いた手に気を取られるともうどこへ逃げたのか見当が付かない。

 

壁面に留まった瞬間に標的が次にどう動くのかを考慮しつつ、

標的のやや上の空間に向けて迅速に、勢いよく、パチンと良い音を響かせながら

お手々の皺と皺を合わせて合掌。南無~。

 

まあ、そんなこんなで秋は深まってゆくわけですねえ。