殺伐の大地

DSC_2826

もう少し早く気がついていれば良かったのかもしれない。

ベランダの里芋の葉の色が最近良くないなと思って

よくよく観てみると、極微少な、夥しい虫の群れが…

体長は大きい個体でも1ミリにも到底満たない。本当に小さい。

ダニのような類だろうか。手元のポケット図鑑では調べようもない。

丸いのは卵であろうか?赤い個体は何だろうか?

蜘蛛のように糸を張り巡らしているようにも見える。

DSC_3100

とりあえずせっかくなので撮影しておいて、あとは処理を

しないと。

 

こいつらはこいつらなりにコロニーを形成して、ある種の社会とも

呼べるかもしれないものを営んでいるのかもしれない。

 

それでも、私にとっては害虫でしかない訳で。

 

このまま放置すれば里芋の生育に悪影響なのは明白。

 

最悪、枯れてしまう可能性は大いにある。

 

ちょっと前に。

大根葉の茎、根元に入り込んで食い荒らすタイプの芋虫がいた。

そいつは茎のごく一部をかじってるに過ぎないが、根幹部分を

食われては、其の先の茎、葉の部分は枯れていく。

新しい芽も生えてすぐに食われて成長できない。

こうなってはもうその株は枯れるしかない。

 

一見目立たない部分にいる分、外敵に見つからない。

生存してゆくにはとても賢い選択ともいえる。

 

虫、生物ってのは、えさになるものがあればそこに生じ、見境なく貪る。

大多数で貪り食い尽くしてしまえばだれも生き残れないはずなのに。

 

そういった事を予見するような能力は虫にはない。そこで大量に死んだとしても

どこかで生き残った個体があればそれを元にしてまた数を増やす。

 

そう言う繰り返しの結果、自然は調和しているのであって、自然という

状態はそれほど甘いものではない。「みんな仲良く手をつないで平和」

なんてものは存在しないのだろう。

 

平和ってのは、秩序ってのは、そこにただ漠然と発生しているものではなくて、

だれかが明確な意志を持って行動しているからこそ維持される。

 

まあ、よくある説教ネタに、「人間ってのは他の生命を頂いて生きている」系

な話がありますが、肉、魚についてはそれは割とよく分かりますが、野菜に関しては

ちょっとそいうのはあんまし実感できないもんであります。

 

しかし、

農作物ってのはそれに群がる害虫、害獣を大量に駆逐し、排除して、その結果

収穫し食卓に上るわけです。

 

まあ、それに感謝するのは個人の自由かもしれない。ただ、直接に手を

下していないだけで、生きるものを大量に殺してる事には変わりないですね。

 

野菜って食品はある意味、場合によっては肉魚よりも、数の上では大量の

生命を殺した上でできているものかもしれないですよ。

 

「一寸の虫にも五分の魂」という言葉もありますし。

 

なんか、やっぱし、ベジタリアンにはあんまし共感できない。

 

まあ、どうあれ、食べ物は粗末にせず、大事に食せという事ですかねえ。

調理をする手間も馬鹿にならんですよ。

輸送、加工にどんだけco2を排出してるのかも無視できない。

 

なんか説教くさいオチになってしまったなあ。