告知との遭遇

ある日の昼下がり、テレビを見ていたんですよ。ええ。

 

そうしているとですねえ。何というか、ちょっとしたドキュメンタリーな

感じの番組が急に始まりだしたんですよ。ええ。

 

タイトルで、提供スポンサーの名前が出てね。

 

あれ~、おかしいな~、変だなと違和感を感じたんです。

 

番組は、淡々と進み、その番組の主役はミュージシャンをしていた、

元議員で芸人の方の息子さんだそうで。ええ。

 

う~ん何だろうね。何か違和感を感じるんだけどね。

 

挫折して、料理店で下働きして、がんばったそうなんですよ。ええ。

 

そして、ですね、念願の店をかまえたそうなんですよ。はい。

なんか、何かが来るなと思ったんです。そろそろ。

多分、もうそろそろだろうと。ええ。

 

で、一所懸命、忙しく、大変なんだそうです。はい。

もう、来るだろう、もう来るに違いないとピーンときたんですねえ。

はい、ええ、もうね。

 

その人の健康を心配する奥さんが出てきたと思った次の瞬間。

 

とうとう、来てしまったんです。はい。

 

恐れていた、予測していた、懸念していたアレが。ええ。

 

特に変哲のないガラス製のコップ。まあ映像なので、アクリル樹脂かも

しれない。確信は持てないんですよ。はい、ええ。

 

その中には緑色、細かく言うなら、ミドルグリーン、ビリジアン絵の具のように

濃い緑色の液体が注がれているんです。

 

なんと、そのコップをつかみ取ると、何と一気に緑の液体を飲み干してしまった

んですね。ええ。

 

そして、そこから、そのドキュメンタリーとは関係のない人が怒濤のごとく

登場するんですよ、もう。凄い勢いで。

 

で言うんですよ。栄養素がどうだとか、どこの産地のどの原料だとか。

今なら特別であるとか、限定でああるとか。連絡先電話番号とか。

 

もうね、やっぱり、ここまでやるのかと。感心したね~。軽蔑と同時に。ええ。

 

もうね、みなさんもね、昼下がりの、テレビを見るときは気をつけてね。はい。

 

他にも、様を付けて呼ばなきゃいけないカプセル食品だとか、

「電話はしない」と言う、意味不明な主張とか。

体臭をやたら気にするアニメーションやら。

 

未知の告知に遭遇するかもしれませんからねぇ。ふふふ…