午後の通り雨。そのあとウチ近所に散歩する。
アスファルトに面した草むらはここのところの雨のおかげか
勢い良く生い茂っている。
イネ科の植物の間に巣を作っている、作りかけている
何齢かは分からない恐らくナガコガネグモの幼虫。
雨にやられて壊れたのか、それとも新しく巣を作っているのか。
クズの蔓が所々伸びていて、その葉には独特な食み後が付いている。
よく見てみれば全長3ミリメートル程度の大きさのゾウムシが
三匹くっついてくんずほぐれつしている。こういう光景はさほど珍しくない
らしいとあとでこのゾウムシを調べた時に分かる。
細い背の高めな草に花が咲いている。あざやかな紫色。
小さな花が集まって咲いている。蜂も飛んできて蜜を吸っている。
このゾウムシ、コフキゾウムシはクズの生えている場所には
良くいるようだ。他の場所でもマルカメムシと一緒に見つかる。
クズのにはよくいろいろな虫がいる。今日はいなかったがマメコガネ
もよくこの葉の上にいたりする。
このところの雨の影響か、キノコが草の脇のところから生えている。
しゃがみ込んで撮ろうとカメラを構えた時に何かが跳ねた。
断定できるほど詳しくないが、おそらくはショウリョウバッタの幼虫の
ようだ。しばらく歩いているとまた何かが跳ねた。私から2〜3メートル
先の地面にトノサマバッタがいた。
視線を左手の川に向けると蝶が二匹、ひらひらと仲良く飛んでいる。
動体にピントを合わせるのに苦戦しつつもなんとかこれを撮る。
ここの堤防は舗装がされていない。度々通る管理車両のせいか道の両側には車輪
の轍が残って雨が降れば水たまりをつくる。
橋を越えて脇の分水道に入る。しばらく上流に向かうと
川の脇の遊歩道に東屋のような感じのベンチがある。
雨の降った後だから腰を下ろせる場所はここぐらいしかない。
なのでそのベンチに座っていると、雀が寄ってくる。なぜか
寄ってくる。
おや、雀ってこんなにフレンドリーな奴だったか。
大抵はこういう場合は鳩だろう。
誰かが餌付けでもしたに違いない。
生憎、餌は持ってない。君らの役に立とうとも思わないが。
それでも、退かず、引かず、退かず。 空気を読めよと言うかの様に
要求する視線をチラチラと向けてくる。
せっかくなのでカメラを向けてみる。
若干、警戒しつつも特に逃げるでもなく周囲3メートル以内に十数匹。
しぶとい。いや、あきらめの悪い。
そう言えば、どこかで雀の個体数が減少しているとの噂を何かで見た。
まあ、それは都心部であって、ここの様な政令指定都市のベッドタウンの様な
場所では無関係なのかもしれない。
この辺りは古い日本家屋も多く残っているし、周辺にはまだ田圃が点在する。
家屋の西洋化、住宅の気密性が向上した結果、雀が巣を作りにくくなったのが
減少の一因とかだと記憶している。
もともと、雀というのは人間と近い所で生息していて、雀にまつわる言葉は多く、
大辞林などで調べてみるとそれこそ雀合戦さながらの目白押し状態である。
基本的に小さくて、取るに足らない存在と見なされているようで、雀と付く
言葉、とくに植物などの異名は小さいものの比喩として表現されている。
唯一、例外というか、違和感があるのがスズメバチという言葉。
あんな凶暴で攻撃的で状況によっては人も殺してしまうほどの猛獣に
雀などと表するのはいかがと思うが。
よく、「鶴の一声」という表現が使われますがこの言葉にはその前部分に
「雀の千声」が付いてるようですよ。「雀の千声鶴の一声」だそうで。
ここでの雀は「取るに足らないつまらない人」という意味だそうですが、
それだけ、ありふれた存在だったのが伺える。
----この投稿は昨日にアップされる予定でしたが雀の部分のくだりが、投稿を
公開のボタンを押した瞬間にエラーが発生し、欠落したため、その憤慨した
気分を落ち着かせるべく、時間を置いて、もう一度書き直しました。----