だれかが、本人、自身について語る時、「自分」とか「私」とか
「儂」とか「我が輩」とか「小生」とか「俺」とか「俺様」とか「朕」だとかまあ、
いろいろな言葉があります。日本語特有の表現ですねえ。
そいうのってフィクションの世界ではそのキャラクターの特徴を表す重要な
ファクターですよね。
某有名な文豪の方は猫が自分を吾輩と呼称している物語を書かれて
いますが、猫らしさが良くでてますよね。
猫ってのは犬やらとは違って、飼い主に対してもへりくだるなんてこと
はしない。やや上から目線なんですよね。
もし、自分を僕なんて呼称する猫というのはどうにも気味が悪い。
「僕」というのは「君」の対になる言葉。下「僕」と主「君」なわけで。
で、通常相手を下に見ている奴が、わざわざ、「僕」なんて
言葉使うなんて何か企んでそうで嫌だなあ。
そんな猫といわれる種の王、それどころか、百獣の王とも称される
ライオンが、立派な鬣をもつライオンが自称を僕というのは何とも
腑に落ちない。
などと、穴が開かない様にピンで器用に壁に留められた広報あいちの
あいちトリエンナーレ2010特集の三沢厚彦のライオンの彫刻が大きく
掲載されている表紙の「ぼくがいろいろ質問するよ。」の小さな吹き出しに
どうでもいいツッコミを心の中で入れているという何とも冴えない何気ない
取るに足らない日常の一風景の図。