朝、夜中降り続いた雨が上がる。寝起きの朝日ではなく、徹夜明けの朝日。
心無しか、雲間のオレンジの陽光が眩しい。
以下制作日誌。
先日のアレ。阿修羅というか観音様というか。
詳しくは昨日の投稿を参照。
えび。
塗装するとこうなります。まだまだ、水彩の加減やら塩梅がしっくりと出来てないなあ。
もっと表現力をつけたいもんです。twitpicにアップロードした今日の作品の中ではコイツ
が一番人気。個人的には蚊を推したいところですが、まあ、モチーフからしてダメですか
ねえ。
で、きつねとうさぎ(その1)
ウサギはイマイチ方向性がよう分からないスタイルになってるかなあ。
どうしてもウサギは何となく筋肉質なイメージがあってそこいらのイメージを
消化できてないっぽい。
キツネはお稲荷さんを意識しつつ、白く塗装して仕上げる予定。
やっぱ、前掛け?は赤いイメージだな。
なんとなくこの組み合わせを見ていたら何か変なお話が浮かんだ。
即興むかしばなし
<うさぎとかえる>
むかしむかし、ある所に一羽のうさぎと一匹のかえるがいた。
二人はいつも一緒で、周りからはも仲のいい奴らだと思われていた。
かえるは健脚が自慢で、泳ぎも得意、歌も上手で、みんなから尊敬されていた。
一方、うさぎも唯一、脚には自身があったのですが、かえるにはどうしても勝てない。
どれだけ頑張って、努力を重ねても。かえるには追い抜くことはおろか、追いつく事も
できない。
次第に うさぎはかえるの事を疎ましく思う様になった。
「僕は自慢できるのは脚しかないのに、かえるは脚どころか、泳ぎも、歌も、人からの
賞賛も一杯もっているじゃないか。こんなに不公平な事はないじゃいか。
唯一の願いすら叶わない僕と、全てをもっているかえる。 なんで。何が違う。」
内心、そんな事を思っているとは誰も気が付きません。薮から二人をじっと
見つめている。へびを除いては。
ある日、夕方、うさぎはかえると別れて家路を歩いていると、へびが呼び止めた。
へびについて良くない噂しか聞いた事のないうさぎは、無視して帰ろうとするが、
「おまえ、かえるに勝ちたいんだろう?」
思わず、立ち止まる。
「おまえはかえるとの競走に勝とうと随分と努力してるらしいじゃないか、
おまえはこの里じゃかえる次いで脚が速い。そいつが努力してるのになんで
勝てないんだろうなあ?」
そんなこと分かる筈ないじゃないかと思い、そっぽを向くうさぎ。
「そりゃそうさ、あいつはズルをしてるんだからなあ。」
はっとするうさぎ。
「いつもいつも、あいつは何で同じコースで勝負してると思う?」
「実はよお、あのコースの途中の森の中の湖、本来なら湖沿いの道を
走る所なんだろ?そこを実は、かえるは湖を泳いで渡っているんだよ。」
へびの話を聞き入るうさぎ。
「いやああの辺りは俺の散歩のルートでね。この前、偶然にも見ちまったんだよ。
かえるが泳いで湖を渡ってるのをよお。 」
「ひでえ奴だよなあ、みんなから尊敬されているかえるが、まさか、そんな
きったないマネをしておまえの唯一の取り柄を奪ってたんだからなあ。」
うつむいて黙っているうさぎ。
「だからよお、あのかえるの奴をギャフンと懲らしめてやりてえんだがよ。
ちいと協力してくんないか?」
うさぎは黙ったまま、わなわなと震えている。
「おまえにとって損しない、どころか、いままで得られなかったものが手に入る
んだぜ、悪い話じゃないだろう?」
うさぎは答えない。
「まあ、いいや、今日はいいから、明日返事を聞かせてくれや。」
そう言ってへびは帰っていった。
うさぎはへびが去った後もしばらくその場から動けなかった。
-------------------------------------------------------つづく。
いかん、予想以上に話が膨らんでしましました。明日はちいと遠出の用事があって
4時には出たいのに。すいませんここいらで今日はお開きです。
後日、後編をお送りします。
ではおやすみなさい。